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2015年10月15日木曜日

VWディーゼルスキャンダルの深層をdriver誌に書きました。必読でよろしく!!2015年10月20日発売です。

第66回IAAフランクフルトショープレスデイから早一ヶ月。帰国直後に発覚した世紀のスキャンダルに目を白黒の毎日でした。

今回のIAAは、じんわり時代の大きな曲がり角を実感させるハイレベルなフラット感(?)が印象的でした。

 渡航前からの胸騒ぎは、取り越し苦労かと思いきや、帰国直後にあり得ないほど大胆かつ大規模な不正劇。過去10年間抱き続けてきた疑念が、すっと晴れる感覚を味わう一方、徒党を組んで既得権の保持に汲々とするお子ちゃま連の現実に向き合えない尻尾の巻き具合、首のすぼめ様に情ないやら同業として恥ずかしいやら。

 2008年の11月から始めた本ブログ。サブタイトルに『孤立を恐れず、孤高に陥らず』と敢えて記し、仲良しクラブで群れて取り返しのつかない状況に陥ることを戒めた意味がやっと伝わる。

個人の力量で何とかするフリーランスが徒党を組んで『立場』でモノを言うなんてもってのほか。間違い失敗は許されても、己を欺いてまでの協調共同は虚偽につながり、為にする言動は嘘の擁護者になりかねない。

 独りで耐えるのは苦しいぞ。常に群れのつまらぬ圧力に晒されるのは情けなくも悲しいぞ。メーカーに媚びるなとは言わない。情報の発信源とのコミュニケーションなしに仕事ができないのが我々だ。しかし、勘違いは駄目だ。お客はリッチで頼りになる企業ではなく市場に数多いる読者でありクルマ好きであるはずだ。

 何でもいいから、自分の意見を自分の言葉で言おう。それがVWの魅力を語り続け、多くのクルマ好きをその気にさせてきた情報発信者のせめてもの良心だし、責務だろう。非を謝る必要はない。間違い過ちは訂正可能であり、修正は許される。 

でも、シラを切ったり嘘の上塗りは駄目だ。この嵐は、過ぎれば青空という簡単なものではなく、時代をそれ以前と以後で大きく分ける前代未聞の不祥事と捉えるべきだろう。

 僕は、初めてドイツに出掛けてから30年余になる。最初は速度無制限のクルマの理想郷に息を呑んだ。30代前半から経験したプレスツアーの豪華さに夢見心地を味わった。しかし、それらは明確な企みから作り上げられたビジネス戦略に基づくものであり、情報伝達者としては一歩引いて対峙する必要性を感じた。

 ライバル国の企業が、世界で覇を競う強力な同業のいる国のジャーナリストを目的もなしに厚遇すると考える方がどうかしている。この場合、一定以上の緊張感は絶対必要で、きちんと批評の精神を携えて自前の意見で議論のひとつでも闘わせるくらいじゃないと。プレスキットポーターでは先方は思うつぼだろうが、聞かされるクルマ好きが浮かばれない。

 フリーランスは元来孤独なもの。意見はそれぞれで異なってあたりまえ。多様性があるからこそ、それなりの個性の存在が許される。皆と同じ意見ならこんなにたくさんの雁首が必要なものか。

喧々諤々、丁々発止の議論の高まりから生まれる”何か”が未来を作る。馴れ合いの予定調和は過去の遺物にすぎない。 VWが引き起こした環境の時代という人類共通の感覚を忘れた行いは、それを盲目的に擁護する者がいたという点で問題の深さを露にさせた。きれいごとになるが、ここて頬被りをしては未来に禍根を残す。まだ何も終ったわけではなく、始まりはこれからだ。 

番宣(?)のつもりが、熱くなっちゃった。

ということで、たくさん書いたのでdriverよろしく!!





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