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2014年12月2日火曜日

Starting over.希望はあるか?

  まだ、エネルギーは十分残っている。落ち込んだ気分が見通しを暗くしているが、深刻に事態を悲観する時は過ぎ"なるようにしかならない"という境地に辿り着きつつある。年齢は62歳と8ヶ月。自分でもそんな歳になるなんて思いも寄らなかったところに、何のことはなくへらへらと佇んでいる感じ。あちこちガタが来て、耄碌が進んだ実感は否定できないが、気持ちとしては余り変わったような気がしない。

  もう少しジタバタしてみよう。先のことは分からない。計画立てて堅実に慎重に……でやって来れば苦労はなかったかもしれないが、こうなったのも自分ならではだろう。反省はしない、というよりできない。ひたすら後悔しながら、あたふたと一日一日を乗り越えて行くばかりだ。この期に及んで、すべてを白紙に戻してやり直しでは、これまでの自分が行き場を失う。

  大事なことさえ置き去りにしてきた自分を俺は恨まないけれど♪、永ちゃんが『もうひとりの俺』で歌うフレーズが今のお気に入りだ。男は敷居を跨げば7人の敵ありという。人が良すぎるというか、世事に疎いというか、長くgoing my wayでやって来たので気にも留めなかったが、気がついたら味方はほとんどいなくなっていた。

  基本的に徒党を組んだりつるんだりするのが苦手。無理して人に合わせるくらいなら、一匹狼のほうが性に合う。50になるまではそれで問題はなかった。もともとが文才があってこの仕事についたわけではないので、山あり谷ありのジェットコースターの波瀾万丈だったが、運の良さでなんとかかんとかやってこれた。

  しかし、年上より年下が多数派となる年代になると取り扱いが難しくなるようだ。こちらは相変わらずの気軽さで特段身構えているわけではないのに、キャリアが存在感を重くして取っつきにくくなるらしい。意見は人それぞれで異なってあたりまえ。基本的な考え方から持論を曲げず、言いたいことを言う。その態度が問題だったと気がついたのは最近のことである。

  何処かで利いた風なことを自分の意見の如く吐き、皆と同じ意見であることで安心する。多数派に属することが処世であり、尖った持論などもってのほか。自動車メディアで文筆を振るう者がどれくらいいるのか見当もつかないか、破天荒に際立った面白い論を吐く者のいかに少ないことか。

  ひとつの意見で事足りるなら、そんなに多くの人材など不要だろう。人の数だけある意見を持ち寄って丁々発止とやり合う中から生まれるのが勢いのあるジャーナリズムであり、多くの人々が求めるエンターテイメントの醍醐味だろう。自動車メーカーが発するプレスリリースに沿った考え方を上から下に流すだけの発表報道は、批評や評価を生業とする情報発信者の仕事ではなく、それは単なる広報活動の下請けだ。

  クルマはまだまだ面白い。このところ筆力が鈍り、このブログ『DRIVING JOURNAL』も長期にわたって開店休業が続いてしまった。carviewのスペシャルblogも滞りがちだが、こちらはもう少し複雑な事情があって、同じ場所に名を連ねている屑のような同業の、あられもない企業べったりの卑しい
態度に辟易としているから。まあ、やられっ放しでは面白くないので、少しは反撃態勢に入った方がいい。そんなこんなの再起である。

  落ちるところまで落ちたどん底から這い上がる。体力的には厳しいし、メンタルも相当痛んでいるから調子が出るまでにはしばらく掛かりそうだが、旅を続ける気力とエネルギーには事足りぬことはない。今年2014年もデトロイトNAIASに始まって、ジュネーブ、 ニューヨークNYIAS/北京、パリ・モンディアル・ドゥ・ロトモビル、LAautoshowと6つの国際モーターショーをカバーした。

  ネタに事欠かないのに、書く気力が萎えていた。甘えていた? 結果的にはそういうことになるが、様々な重圧に身動きがとれなくなっていたというのが正直なところだ。さすがに後がなくなると開き直らざるを得ない。

  FACEBOOKやtwitterでは何とか発信を繋いできたが、本家ブログを中心に有料メルマガやyoutubeを含むSNSとの連動からフリーランスライターとしてのサバイバルを模索する。

  数年前に決めた方針が勢いを失ったのは……もういい、過ぎたことだ。前を向いて進めるところまで行くばかりである。

  ということで、最近の気になった、気に入った写真を3点貼ります。

 

  まずはdriver11月20日号に掲載されたトヨタFCV『ミライ』のリポートで見開きで大きく使われたこの写真から。黒のMIRAIと僕。178㎝の身長との対比で分かる意外な背の高さ。

そうと感じさせないデザイン部門のトリックアートのセンスを活かしたスタイリング。走りの個性、完成度と合わせて非常に今後が楽しみなクルマ。余裕があれば即購入したい一台です。


  LAautoshowでworld premiereされたマツダCX-3。デミオ(マツダ2)のデリバティブ=派生系で、当初から企画されていたモデルということですが、開発着手はCX-5の成功が確認できた2年前。

デザインは、グローバルな展開をみせるマツダ2=デミオと違って100%広島本社が担当。デミオより約100kg重量増となることから、エンジンはガソリンが2ℓとデミオでも好評な1.5ℓディーゼルの2本立て。日本市場向けはディーゼル専用と割り切った。

気持ちは分かるが、ここは2ℓのスカイアクティブ-Gもラインナップさせて、SKYACTIV       TECHNOLOGY発表当初アピールしたダウンスピーディング(排気量を下げてターボでバランスをとるダウンサイジングに対して、トルクの充実による回転数抑制とドライブトレインの組み合わせで高効率を目指す)を世に知らしめる恰好の材料だったはずなのだが。

 
 そしてNDロードスター。北米向けには2ℓ直4が与えられることが公式にアナウンスされたが、実は日本向け仕様については「まだひと言も言っていない」。「えっ?」という感じだが、山本修弘主査は頑なだった。写真は日本向けの右ハンドル。

2ℓの北米仕様のボンネット内は撮影が許されたが、こちらはNG。微妙な情報コントロールが却って混乱を招きかねない。オープンカーはオープンに。これでやってほしいもの。
 
  それはともかく、この白に見えるボディカラー、実はセラミック系の灰色ということで正式名称は明らかにされなかったが、光線の具合によっては渋いグレーの表情を見せるとか。赤もいいけど、僕の一押しはこれです。

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